Japanische Klassiker mit Furigana
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きどうむかしがたり
綺堂むかし語り
岡本 綺堂
Lesen Sie 綺堂むかし語り (きどうむかしがたり) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 183.656 Zeichen · 363 Bildschirme
苦力とシナ兵
一
「新聞記者に危険はありませんか。」
これはしばしばたずねられますが、決して危険がないとは云えません。従軍記者も安全の場所にばかり引き籠っていては、新しい報告も得られず、生きた材料も得られませんから、危険を冒して奔走しなければなりません。文字通りに、砲烟弾雨の中をくぐることもしばしばあります。日清戦争には二六新報の遠藤君が威海衛で戦死しました。日露戦争には松本日報の川島君が沙河で戦死しました。川島君は砲弾の破片に撃たれたのです。私もその時、小銃弾に帽子を撃ち落されましたが、幸いに無事でした。その弾丸がもう一寸と下がっていたら、唯今こんなお話をしてはいられますまい。私のほかにも、こういう危険に遭遇して、危く免れた人々は幾らもあります。殊に今日は空爆ということもありますから、いよいよ油断はなりません。
今度の事変にも、北支に、上海に、もう幾人かの死傷者を出したようです。この事変がどこまで拡大するか知れませんが、従軍記者諸君のあいだに此の以上の犠牲者を出さないようにと、心から祈って居ります。(昭和12・8稿・『思ひ出草』所収)
苦力とシナ兵
一
昨今は到るところで満洲の話が出るので、わたしも在満当時のむかしが思い出されて、いわゆる今昔の感が無いでもない。