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Japanische Klassiker mit Furigana

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きどうむかしがたり

綺堂むかし語り

岡本 綺堂

Lesen Sie 綺堂むかし語り (きどうむかしがたり) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 183.656 Zeichen · 363 Bildschirme

Aozora Bunko

これで事情は判明した。彼は昼間から私の容体を案じていたのであるが、日が暮れていよいよ寒くなって来たので、彼は私のために更に一枚の毛布を工面に行ったのである。われわれの食物その他はすべて管理部で支給されるのであるから、彼は管理部をたずねて行った。戦闘開始中は管理部も後方に引き下がっているのであるから、彼は暗い寒い雨の夜に一里余の路を引返して、ようように管理部のありかを探し当てたが、管理部でも毛布までは支給されないという。第一、余分の毛布もないのである。それでも彼はいろいろに事情を訴えて、一枚の古毛布を借りて来て、病める岡大人――岡本の一字を略して云う――に着せてくれる事になったのである。

私は感謝を通り越して、なんだか悲しいような心持になった。前にもいう通り、私たちはとかくに苦力らを侮蔑する心持がある。その誤りをさきに王福の兄弟に教えられ、今はまた、高秀庭に教えられた。いたずらに皮相を観て其の人を侮蔑する――自分はそんな卑しい、浅はかな心の所有者であるかと思うと、私は涙ぐましくなった。その涙は感激の涙でなく、一種の自責の涙であった。

私は高のなさけに因って、その夜は二枚の毛布をかさねて眠った。