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Japanische Klassiker mit Furigana

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きどうむかしがたり

綺堂むかし語り

岡本 綺堂

Lesen Sie 綺堂むかし語り (きどうむかしがたり) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 183.656 Zeichen · 363 Bildschirme

Aozora Bunko

あたりには杉や楓など枝をかわして生い茂って、どこかで鴉が啼いている。

すさまじいありさまだとは思ったが、これに較べると、範頼の墓は更に甚だしく荒れまさっている。叔父御よりも甥の殿の方がまだしもの果報があると思いながら、香を手向けて去ろうとすると、入れ違いに来て磬を打つ参詣者があった。

帰り路で、ある店に立ってゆで栗を買うと実に廉い。わたしばかりでなく、東京の客はみな驚くだろうと思われた。宿に帰って読書、障子の紙が二ヵ所ばかり裂けている。眼に立つほどの破れではないが、それにささやく風の音がややもすれば耳について、秋は寂しいものだとしみじみ思わせるうちに、宿の男が来て貼りかえてくれた。向う座敷は障子をあけ放して、その縁側に若い女客が長い洗い髪を日に乾かしているのが、榎の大樹を隔ててみえた。

午後は読書に倦んで肱枕を極めているところへ宿の主人が来た。主人はよく語るので、おかげで退屈を忘れた。

きょうも水の音に暮れてしまったので、電燈の下で夕飯をすませて、散歩がてら理髪店へゆく。大仁理髪組合の掲示をみると、理髪料十二銭、またそのわきに附記して、「但し角刈とハイカラは二銭増しの事」