Japanische Klassiker mit Furigana
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きどうむかしがたり
綺堂むかし語り
岡本 綺堂
Lesen Sie 綺堂むかし語り (きどうむかしがたり) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 183.656 Zeichen · 363 Bildschirme
ここらでもその栗の木は名物になっているとみえます。その以来、わたしも栗の木に少なからぬ注意を払うようになって、公園へ行っても、路ばたを歩いても、いろいろの木立のなかで先ず栗の木に眼をつけるようになりました。
それから一週間ほどたって、私は例のストラッドフォード・オン・アヴォンに沙翁の故郷をたずねることになりました。そうして、ここでアーヴィングが「スケッチ・ブック」の一節を書いたとか伝えられているレッド・ホース・ホテルという宿屋に泊まりました。日のくれる頃、案内者のM君O君と一緒にアヴォンの河のほとりを散歩すると、日本の卯の花に似たようなメー・トリーの白い花がそこらの田舎家の垣からこぼれ出して、うす明るいトワイライトの下にむら消えの雪を浮かばせているのも、まことに初夏のたそがれらしい静寂な気分を誘い出されましたが、更にわたしの眼を惹いたのはやはり例の栗の立木でした。河のバンクには栗と柳の立木がつづいています。
ここらの栗もプッシー・パークに劣らない大木で、この大きい葉のあいだから白い花がぼんやりと青い水の上に映って見えます。その水の上には白鳥が悠々と浮かんでいて、それに似たような白い服を着た若い女が二人でボートを漕いでいます。