Japanische Klassiker mit Furigana
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きどうむかしがたり
綺堂むかし語り
岡本 綺堂
Lesen Sie 綺堂むかし語り (きどうむかしがたり) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 183.656 Zeichen · 363 Bildschirme
たからである。こういう種々の原因が絡み合って、内部と外部との中間には、袖萩が取りつくろっている小柴垣よりも大きい関が据えられて、戸を叩くにも叩かれぬ鉄の門が高く鎖ざされていたのであった。
「どうぞお慈悲にただ一言……。」
お君の袖乞いことばを真似るのが忌な者は、黙って門の外に立っているよりほかはなかった。
ところが、やがて其の厳しい門を押し破って、和田合戦の板額のように闖入した勇者があらわれた。その闖入者は松居松葉君であった。この門破りが今日の人の想像するような、決して容易なものではない。松葉君の悪戦は実に想像するに余りある位で、彼はブラツデーネスになったに相違ない。そうして明治三十二年の秋に、明治座で史劇「悪源太」を上場することになった。俳優は初代の左団次一座であった。続いて三十四年の秋に、同じく明治座で「源三位」を書いた。つづいて「後藤又兵衛」や「敵国降伏」や「ヱルナニー」が出た。
「素人の書いたものでも商売になる。」
こういう理屈がいくらか劇場内部の人たちにも理解されるようになって来た。わたしは松葉君よりも足かけ四年おくれて、明治三十五年の歌舞伎座一月興行に「金鯱噂高浪」