Japanische Klassiker mit Furigana
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きどうむかしがたり
綺堂むかし語り
岡本 綺堂
Lesen Sie 綺堂むかし語り (きどうむかしがたり) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 183.656 Zeichen · 363 Bildschirme
あるものは小さい池の岸を掩って、水に浮かぶ鯉の影をかくしている。あるものは四つ目垣に乗りかかって、その下草を圧している。生きる力のこれほどに強大なのを眺めていると、自分までがおのずと心強いようにも感じられて来るではないか。
すすきに次いで雄姿堂々たる草花は、鶏頭と向日葵である。いずれも野生的であり、男性的であること云うまでも無い。ひまわりも震災直後はバラックの周囲に多く栽えられて一種の壮観を呈していたが、区画整理のおいおい進捗すると共に、その姿を東京市内から消してしまって、わずかに場末の破れた垣根のあたりに、二、三本ぐらいずつ栽え残されているに過ぎなくなった。しかも盛夏の赫々たる烈日のもとに、他の草花の凋れ返っているのをよそに見て、悠然とその大きい花輪をひろげているのを眺めると、暑い暑いなどと弱ってはいられないような気がする。
鶏頭も美しいものである。これにも種々あるらしいが、やはり普通の深紅色がよい。オレンジ色も美しい。これも初霜の洗礼を受けて、その濃い色を秋の日にかがやかしながら、見あぐるばかりに枝や葉を高く大きくひろげた姿は、まさに目ざましいと礼讃するほかは無い。