후리가나로 읽는 일본 고전
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さんごくし
三国志(七)
吉川 英治
吉川 英治의 三国志(七)(さんごくし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N1. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N1 · 고급 · 신자체·신가나 · 371,916자 · 744화면
と共に木鹿大王は、口の内に呪を念じ、なにか祷るような恰好をしだした。獅子、虎、豹、毒蛇、悪蝎などの群れが、とたんに土煙を捲き、草を這い、或いは宙を飛ぶように、蜀軍の中へ襲いかかった。彼らの腹はみんな背中へつくほど細く捲き上がっていた。いわゆる餓虎餓狼ばかりである。牙を張り風を舞わし、血に飽かない姿である。
逃げる逃げる、逃げ崩れる。蜀兵の足はいかに叱咤しようが止まらなかった。とうとう三江の堺まで総なだれに退いてしまった。蛮軍は面白いほど勝ち抜いて、これまた、猛獣以上の猛勇をふるって逃げおくれた蜀兵を殺しまわった。
異様な妖鐘が再びじゃんじゃん鳴りひびいた。木鹿王の白象の周りへ満腹した猛獣群が尾を振り勇んで帰ってくる。それを再び檻に入れ或いは鎖に繋ぎ、鼓角を鳴らして、王宮へ引き揚げて行った。
趙雲、魏延の二将から、この日の敗戦を聞いて、孔明は笑った。
「書物はやはり嘘を書いていないものだ。むかし若年の頃、自分が草廬のうちで読んだ兵書に、南蛮国には豺狼虎豹を駆使する陣法ありと見えたが、きょうのは即ちそれであろう。幸い、蜀を立つ時から万一のためその備えはして来ておるから、決して愕き騒ぐには当らない」