후리가나로 읽는 일본 고전
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どうひょう
道標
宮本 百合子
宮本 百合子의 道標(どうひょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 846,457자 · 1672화면
それはほんの一分か二分の出来ごとだった。第九シムフォニーの第二楽章がはじまった。その日の指揮はセロのドイツ人教授だった。指揮棒が譜面台を軽く叩き、注意。そして、演奏がはじまる。
一呼吸はやく、第一ヴァイオリンのトップが弾き出した。伸子は、はっとした。次に罪なくほほえまれる感情につかまれた。ジンバリストが来ている。そのうれしさで全員の感じた亢奮が、率直にもう若くないしかも大家である女性ヴァイオリニストによってあらわされたように感じたのだった。その演奏会から、伸子も多計代も、ほかの連中もひどく刺戟に疲れてかえって来た。多計代は、まず一服という風に外出着のまま食堂に坐ってお茶をのみながら、一つテーブルをかこんでこれもお茶とお菓子を前にしている伸子たちに、
「さすがはベートーヴェンだけあるねえ。わたしはほんとに感激した。おしまいごろには、涙がこぼれて来てしかたがなかったよ」
と云った。その瞬間和一郎と小枝とが、顔を見合わせようとしてこらえたのが伸子にわかった。伸子は、何にしてもきょうの場所はわるかったと思っているところだった。シムフォニーとして一つにまとまり調和しあった音楽の雲につつまれることができず、伸子たちの席では、はじめっからおしまいまで厖大な音響の群らだつ根っこの底にかがんでいるようなものだった。