일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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さんごくし

三国志(七)

吉川 英治

吉川 英治의 三国志(七)(さんごくし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N1. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N1 · 고급 · 신자체·신가나 · 371,916자 · 744화면

아오조라 문고

果然、蜀の大不幸は、その時に、その荊州から起った。関羽の死と、荊州の喪失とである。

後の史家は、紛議して、これを玄徳の順調と好運がふと招いた大油断であるといい、また王佐の任にある孔明の一大失態であるとも論じて、劉備と孔明のふたりを非難したりした。

けれど。

大局からみると、蜀にとって、中原の大事は、荊州よりも、むしろ漢中にある。そしてその漢中には、魏の曹操が自ら大軍を率して、奪回を計っていた。――この際、当然、蜀の関心は曹操にそそがれていた。

その曹操と呉の孫権とは、赤壁以来の宿敵である。まさか一夜にしてその積年の障壁が外交工作によってとりのぞかれ、魏呉友好をむすんで、呉の大艦船が長江を溯り、荊州を圧そうなどとは夢想もできない転変だったにちがいない。

加うるに、劉備も孔明も、いささか関羽の勇略をたのみすぎていた。忠烈勇智、実に関羽は当代の名将にちがいなかった。けれどそれにしても限度がある。ひとたびその荊州の足場を失っては、さすがの関羽も、末路の惨、老来の戦い疲れ、描くにも忍びないものがある。全土の戦雲今やたけなわの折に、この大将星が燿として麦城の草に落命するのを境として、三国の大戦史は、これまでを前三国志と呼ぶべく、これから先を後三国志といってもよかろうと思う。