후리가나로 읽는 일본 고전
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どうひょう
道標
宮本 百合子
宮本 百合子의 道標(どうひょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 846,457자 · 1672화면
金銭の慾のあぶらと埃で真黒によごされたリンカーンの像が立っている取引所前。まだ満二十歳にもなっていなかった伸子が、第一次世界大戦休戦の日の午後、気のちがったようなニューヨークの大群集にもまれて、カイゼルの藁人形に火がつけられるのを目撃したあのウォール街。あの日、聳え立つ左右の建物の窓という窓から色さまざまの紙きれが投げられ、株式電報のテープの房がウォール街のすべての窓々からうすよごれた白髪のように垂れ下っていた。あんなに云いはやされて来て、アメリカ人自身本当だと思いこんでいたアメリカばかりは不景気しらずの「永遠の繁栄」。それは、十月二十九日というきのうの一日のうちに、うちくだかれた。ウォール街の暴落――けわしい高層建築の谷間を、山高帽をかぶってせかせか歩く人波でうずめられているウォール街をおそったであろうとめどのない混乱の想像は、伸子に血の気を失った人々のパニックの絵図を思いやらせた。
目を見開いたまま、伸子は、やっぱり正しかった、と思った。「アメリカの好景気は一九三〇年を包括しないだろう」ヴァルガの言葉は的中した。緊張した伸子の瞳のなかに焔がもえた。