후리가나로 읽는 일본 고전
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どうひょう
道標
宮本 百合子
宮本 百合子의 道標(どうひょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 846,457자 · 1672화면
ここが戦場であったときから十数年の星霜を経ている。それだのに、伸子たちの乗っている大型セダンがエンジンのうなりをどこか遠い空のかなたにふるわせながら疾走してゆく道路の左右は、うちつづく砲弾穴に薄のような草が高く生えている傷だらけの地面だった。あたりに一本の立木ものこっていない。荒涼とした道がつづいて、いつとはなしみんなのこころに感傷がしのびこんだころ、行手に、黒と白の大理石で建てられた壮大な建物があらわれた。ギリシアの神殿になぞらえた納骨堂であった。柱列の間に高くはめこまれている白大理石の板に、おびただしい名前が金で象嵌されている。その一つ一つの姓名の前に、軍隊での階級がついていて、殿堂の内壁に名を記されているのは、みんな将校の身分だった。その身分の中にも階級の区別が守られている。少尉、中尉、大尉。その階級の人々は一方の壁に。少佐から大佐は他の壁の大理石板の上に。そして、少将、中将の階級の軍人の名は、その殿堂の一番天井に近い位置に、特別誰の目にもよみやすい大文字で金象嵌されているのだったが、その大文字階級の軍人の名の数は、その殿堂の大理石板の面をうずめている戦死将校の数の千分の一にも満たないかと思われた。