후리가나로 읽는 일본 고전
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どうひょう
道標
宮本 百合子
宮本 百合子의 道標(どうひょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 846,457자 · 1672화면
外科から病室へ帰って来る途中の菩提樹並木のところで、伸子は人のふまない白い雪の上に、いくつもいくつも泥のしぶきでまわりの雪のよごれた小さい黒い穴ぼこができているのを発見した。樹の枝々からしたたり落ちる雪どけ水が点々と地べたの雪をうがってつくる穴ぼこだった。モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)に春の来たしるし、季節の足跡として、去年の早春も並木道を散歩するたびに伸子の目についた。いよいよ手術しなくてよくなったうれしさでいたずらっぽくなった伸子は、爽快な外気の中を運搬車にねたままで押されてゆきながら道ばたの菩提樹の下にあらわれるそのよごれた小さい黒い穴を、あんこのついた日本の子供の口のまわりのようだと思った。ひとり笑いたいような気持で眺めて通ってゆくうちに連想がひろがって、伸子はチョルト・ポヴェリ(悪魔にさらわれろ!)と、すぎさった手術に向って心の内で陽気にルガーチ(罵り)しながら、ひとり笑いで唇をゆるめた。ロシアの人が言うように、一つの黒い小さい穴から一匹の悪魔が消えるものなら、何てどっさりの悪魔が、ここいら辺の雪の上についた穴から消えたことだろう。