후리가나로 읽는 일본 고전
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どうひょう
道標
宮本 百合子
宮本 百合子의 道標(どうひょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 846,457자 · 1672화면
ペーヴメントの上にいる少年の動作を見おろしている眼をしばたたいて、伸子は自分にわきおこった新しい疑問におどろいた。征服したいと思ったのはワグナーだったのに、と伸子は考えた。彼はウィルヘルム一世にああいう手紙をかいたのだから。――人民を温和にして統治しやすくするために最も有効果なのは宗教ならびに音楽であります、と。ニイチェは、音楽をそういう風なものとして皇帝に売りつける晩年のワグナーに腹を立てて仲たがいした。伸子にはニイチェの気持がもっともなことと思えているのだった。
そして、きょうワグナーのオペラとしてきかれているのは、ワグナーがまだそんな手紙を皇帝にかいたりしなかったころ、初期の作品、ワグナーが若くて、貧しくて自分の途をさがしていた頃の「タンホイザー」などであることも、意味ふかいと思っているのだった。
ベートーヴェンの音楽の人類的な本質、それは文学へもつきぬけて来ているほどの本質を、川辺みさ子が個人的な、天才の光輝と思いちがいし、自分の光背ともして背負いあげたことは、愚かしい単純さであり、思いあがりとして、彼女の一人の女としての真実な悲劇まで嘲笑のうちに忘られた。