후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
どうひょう
道標
宮本 百合子
宮本 百合子의 道標(どうひょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 846,457자 · 1672화면
そういう理解の加わった気持で、しんみりと思いかえしてみると、伸子が自分のひとりの心の中で川辺みさ子と自分とが別ものであることをあんなに強調して意識し、一生懸命に自分とは反対の端へ川辺みさ子という存在を押しつけていたにしろ、ひっきょうその気がまえをもっているというだけでは、伸子が川辺みさ子から本質的に別な世界にいるということではなかった。伸子は、そのころ云われていた文士とか女文士とかいう言葉と、そこから連想されている生活ぶりに、嫌厭を感じ、反撥していた。けれども反撥していただけで、それにかわるものがなに一つ伸子にあるわけではなかった。文士の一人であり女文士であることを拒んでいる伸子にあるのは孤立だけだった。その孤立のなかで、伸子はもがきつづけて来ているのだった。
静かな午後の横町の下宿の室でかすかにパンジーの花束がにおう炉棚の下にたたずみ、伸子はあれからこれへと心の小道をたどりながら、半ば無意識に、そこの小テーブルの上に立ててあるモツァルトの薄肉浮彫の飾りメダルを手にとった。ウィーン名物の薄肉浮彫の金色の面に、こころもち猫背で、というより鳩胸のような肩つきで、円い形のかつらをつけたモツァルトの横顔が浮き出ている。