후리가나로 읽는 일본 고전
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どうひょう
道標
宮本 百合子
宮本 百合子의 道標(どうひょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 846,457자 · 1672화면
「ねえお父様、一等にしなけりゃほかの人たちに対して御都合がわるい? さっきみたいなことが、あした汽車にのっている間じゅうつづいたら、面倒じゃない?」
ホテル・ノアイユには、その日カトリ丸から上陸するとすぐにパリ行の列車へのってしまわなかった、幾組かの日本人がとまっていた。晩餐のために食堂へ出た佐々の六人が円くかけたテーブルは、間接照明にてらされている大食堂の、噴水の奥で、水滴の音の爽やかな気持のいい場所だった。木がくれたような風情をもったそのあたりには、金色のスタンドをつけて、幾組かの粋な二人用小卓もしつらえられているのだった。海辺のホテルでの献立には新鮮な魚介もあって、多計代は満足した表情で、あたりを見まわしていた。その多計代の目が、ふと、そのどれにも、華やかな夜のなりをした女と男とむかいあっている小テーブルの一つにとまった。
「おや、小枝さん、あすこのテーブルは、大高さんじゃないかい」
前から、その小卓に、眼隈の濃いマルセーユの女とさし向いでいる日本人に気づいていたらしい小枝は、
「さあ」
と、云ったきり、そちらを見ようとせず、うっすり赧い顔になった。