轻松读懂日语经典作品
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さぶ
さぶ
山本 周五郎
「週刊朝日」 1963(昭和38)年1月4日号~7月5日号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 210,521 字 · 415 页
という櫛屋へ嫁にいった。芳兵衛夫妻には子供が二人あり、弟の芳二郎はいま十五歳になるが、躯が弱いので玉川在の農家に預けられていた。平左衛門というその農家はかなりな田地持ちで、妻女お由とは縁続きであり、月に一度は互いに往来しあっている。――おみつはあまりきりょうよしではなく、家にいるじぶんから人の好き嫌いが強くて、職人たちのあら捜しをしたり、ありもしないことを親に告げ口をするというふうであった。芳兵衛も妻女もその性質を知っているので、おみつの告げ口などはたいてい聞きながしにするが、それは却っておみつの片意地な性分を煽るような結果になったのだろう、嫁にいってからも不平が多く、しばしば実家へ帰って来ては、みんなに当りちらすのであった。
「帰って来るなりおれを見て、休みだからって遊んでいることはないだろうと云った」さぶは苦笑いをした、「――他人さまのめしを喰べながら手に職をつけてもらっているんだ、少しでも有難いと思ったら、店はたとえ休みにしろなにか仕事がある筈じゃないか、一粒の米だってただじゃないんだよって」
「その先は云うな」と栄二が制止した、「おみつちゃんの気性は知ってるじゃないか、きっとまた檜物町で喧嘩でもして来て、八つ当りをしたんだろう、気にするなよ」