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さぶ

さぶ

山本 周五郎

「週刊朝日」 1963(昭和38)年1月4日号~7月5日号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 210,521 字 · 415 页

青空文庫

十三の二

の四人や五人で片づくことじゃあねえんだから」

十三の二

おれはもうがまんができない。おれたちのもっこ部屋がこんなざまになったのを、黙って見ているわけにはいかない。役所でどう考えているかしれないが、もっこ部屋はおれたちのものだから、おれたちの力で元どおりにするのが当然ではないか、と万吉は云い張ってゆずらなかった。

「やろうと約束したのは四人だが」と万吉は続けた、「あにいが立てば、ほかにもやる気になる者が出てくると思う、義一のまわりに集まっているやつらのほかは、みんな立ちあがるんじゃねえかと思うんだ」

「考えてみる」と栄二はまた云った、「本当にやるとすれば、しくじらねえような手筈を立てなくっちゃあだめだ、ただ力ずくで片のつくことじゃあないんだから、いいな」

万吉は杭のほうを指さした、「あの棒を拾って来ようか」

「部屋にべつのが隠してあるんだ」と云って栄二は杖のぐあいを直した、「――怪しまれるといけねえ、おめえ先へ帰ってくれ」

「あんまり待たせねえでな」と云って、万吉はあとじさりにあるきだした、「――こぶが出てったのはおとついだってよ」

栄二は杭のところへゆき、地面を捜して丸薪を拾い集め、それを脇にある石材のうしろへ隠した。