轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

さぶ

さぶ

山本 周五郎

「週刊朝日」 1963(昭和38)年1月4日号~7月5日号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 210,521 字 · 415 页

青空文庫

立話をしたくらいのものだが、おせいという娘がさぶを好いていることは、言葉や目顔によくあらわれていた。さぶはおっとりしたほうだから、おせいのはきはきした、眼はしのききそうな性分が役に立つだろう。いい折りをみて二人をいっしょにしてやろう、とおすえは勝手からはしゃいだ口ぶりで云った。それで、さぶはいたのか、と栄二がきいた。いいえ仕事に出たそうです、今夜みえなければ明日はきっと寄るでしょう、とおすえは答えた。

「江ノ島へはさぶちゃんもいっしょにいくんですか」

「下見はおれだけで充分だが、留守のあいだに材料を買ってもらいたいんだ」と栄二が云った、「これまでに買い溜めた物はだめだ、下張りの紙だけでも買い直さなければならない、それもすぐに注文しないとまにあわないかもしれないんだ」

「いそがしくなったわね」おすえはこっちへ来て、膳立てをしながら云った、「せっかくの晩だっていうのになんにもないのよ、久しぶりで一本つけましょうか」

「酒はもうたくさんだ」と栄二は手を振って云った、「ある物で片づけよう、それから明日の支度だ」

食事のあいだじゅう、おすえは上気した顔に微笑を湛え、とりとめのないことを休みなしに話し続けた。