轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

さぶ

さぶ

山本 周五郎

「週刊朝日」 1963(昭和38)年1月4日号~7月5日号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 210,521 字 · 415 页

青空文庫

そして、そんな親きょうだいを背負っているから、さぶちゃんに限らず人の嫁にはなれない、自分は一生、弟や妹たちのために働くつもりだと、おのぶは付け加えていた。

「女の身でそこまで考えなければならないんだ、そういう境遇が現にこの世にあるんだ」と栄二は自分を叱りつけるように呟いた、「――きさまなんかまだあまっちょろいもんだぞ」

東仲町へゆき着くまで、彼は同じことを繰返し考え続け、幾たびも眉をしかめては舌打ちをした。香和堂は三間まぐちで、そのうち二間が板敷の仕事場。奥に六帖の部屋が三つあった。小舟町から伴れて来た小僧の半次も十八歳になり、ほかに二人の小僧がいる。和助は去年の春に結婚し、今年の夏に女の双生児ができたので、家が狭いのを苦にしていた。

「いらっしゃい」店にいた半次が、栄二を見て明るく笑った、「さっき小舟町から使いがありましたよ」

「親方はいるか」ときいてから、栄二は眼をそばめた、「――小舟町からなんだって」

「手紙を持って定が来ました、親方はいま朝めしです、ゆうべは夜明し仕事だったもんですからね」そう云いかけて半次は顔をしかめた、「――あにい、いけねえな、ぷんぷん匂いますぜ」