轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

さぶ

さぶ

山本 周五郎

「週刊朝日」 1963(昭和38)年1月4日号~7月5日号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 210,521 字 · 415 页

青空文庫

和助は栄二の眼をみつめた。栄二はさらに問い返そうとしたが、和助はそれを遮って、それなら云ってしまおう、と云った。

「おめえは本町のお店の間取をよく知ってるな」

「よく知ってるかどうかわからねえが」栄二は考えてみた、「おきみさんやおそのさんと遊んでいたから、迷うようなことはねえと思います」

「旦那の居間を知ってるか」

「客間からひと間おいた隣りでしょう」

「そこに物入れの小箪笥がある」と和助は云った、「その抽出の一つに古金襴の切がはいってた、客があったので見せるために、旦那がそいつを出してみると、古代箔白地金襴の切が一枚なくなっていたんだ」

和助はそこで栄二の顔を見まもった。しかし栄二の表情には些かの変化もなく、ただその眼に疑わしげな色がみえるだけであった。

「たいそう高価な品なので捜しにかかった」と和助は続けた、「――旦那とおかみさんと二人きりで、ほかの者には知れないように捜した、そうして、まあつづめて云えば、客間にあったおめえとさぶの道具袋を、念のためにしらべてみたところ、それがおめえの袋の中から出てきたんだ」

栄二は笑った、「冗談じゃあねえ、からかっちゃあいけねえよ、あにい」