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さんごくし

三国志

吉川 英治

06 孔明の巻

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 161,356 字 · 323 页

青空文庫

、第4水準2-90-10)も、

「むだに命は捨てられん」とばかり、逃げ鞭たたいて逸走してしまった。

徐晃は、後詰の張遼、許※(「ころもへん+睹のつくり」、第3水準1-91-82)と合流して、悠々、官渡の下流をこえて陣地へ帰ったが、曹操が功をたたえると、

「いやご過賞です。せっかくご使命を買って出ながら、功は半ばしか成りませんでした」

といって自ら恥じた。

「なぜ恥じるか」と、曹操が訊くと、

「でも、敵の兵糧を焼いて帰ってきただけでは味方の腹はくちくなりませんから」と、答えた。

「ぜひもない。そこまでは慾が張りすぎよう」

曹操が慰めたので、諸将はみな苦笑したが、まったくこの戦果によっては、少しも兵糧の窮乏は解決されなかった。

しかし、これを袁紹のほうに比較すると、士気をあげただけでも、やはり充分に、徐晃の功は大きかったといっていい。

袁紹は、期待していた兵糧の莫大な量をむなしく焼き払われたので、

「韓猛の首を陣門に曝させい」と、赫怒して命じたが、諸将があわれんで、しきりに命乞いしたため、将官の任を解いて、一兵卒に下してしまった。

この難に遭ってから審配は、

「烏巣(河北省)の守りこそは実に大事です。