轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
さんごくし
三国志
吉川 英治
06 孔明の巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 161,356 字 · 323 页
四
と主張した。
火の手を見ながらこんなふうに袁紹の帷幕では議論していたのであった。
四
焦眉の急をそこに見ながら、袁紹には果断がなかった。帷幕の争いに対しても明快な直裁を下すことができなかった。
彼とても、決して愚鈍な人物ではない。ただ旧態の名門に生れて、伝統的な自負心がつよく、刻々と変ってくる時勢と自己の周囲に応じてよく処することを知らなかった日頃の科が、ここへ来てついに避けがたい結果をあらわし、彼をして、ただ狼狽を感じさせているものと思われる。
「やめい。口論している場合ではない」
たまらなくなって、袁紹はついに呶鳴った。
そして、確たる自信もなく、
「張、高覧のふたりは、共に五千騎をひっさげて、官渡の敵陣を衝け。また、烏巣の方面へは、兵一万を率いて、蒋奇が参ればよい。はやく行け、はやく」
と、ただあわただしく号令した。
蒋奇は心得てすぐ疾風陣を作った。一万の騎士走卒はすべて馳足でいそいだ。烏巣の空はなお炎々と赤いが、山間の道はまっ暗だった。
すると彼方から百騎、五十騎とちりぢりに馳けてきた将士が、みな蒋奇の隊に交じりこんでしまった。もっとも出合いがしらに先頭の者が、