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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
「日本」講談社、1958(昭和33)年1月号~1961(昭和36)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 页
ちりばめたような無数の灯やら香のけむり、花、花、花。そしてくだもの、五穀、くさぐさなお供え物など、いうまでもない。
いよいよ、まつりの第一日。
月白く、風すずやかな夜から始まる。
公孫勝を大導師に道士四十九人、立ちならぶ中を、まず宋江、盧俊儀、呉用の順に、長いこと壇下にぬかずいて伏し拝む。
そして瑤の台に願文をささげ拈香十拝、花に水をそそいで静かに退がる。
順次百八人のものみなこれに倣って、壇を巡り、そして、あかつきへかけては、導師以下の修法になった。
修法は日ごと二回おこなわれる。このあいだ、一同は穢を厭み、口をきよめ、念誦一心、一歩も忠義堂を出ることはない。そこに寄りつどったきりなのである。
こうして七日目の満願の三更だった。誰もが神気朦朧としているうちに、宋江は夢とも現ともなく一炬の白い光芒が尾をひいて忠義堂のそとの地中に墜ちるのを見た。それこそは上天の啓示にちがいない、すぐそこを掘らせてみようと、公孫勝以下の道士が鋤鍬をもって掘ってみると、はたせるかな、一面の石碣が掘りおこされた。
「これはおそろしく古い物らしい」
「神代文字だ。何か彫ってあるが、てんで読めぬ?」