轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
「日本」講談社、1958(昭和33)年1月号~1961(昭和36)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 页
「あらまあ、だんな、どうなすったんでございますよ。ちか頃は」
「や、閻婆か。なアに、どうもせんさ、役署が忙しいだけのことでね」
「いけませんよ、だんな。てんで、この頃はお見かぎりで……。娘が可哀そうじゃござんせんか」
「でも、達者なんだろ」
「あれ、あんな水くさいこと仰っしゃッてさ。憎いわねえ、いったい、どこの奴が、水を差したんだろう。……さ、とにかくだんな、今夜はお連れせずにいませんよ」
「おい、離せよ、人が見るではないか」
「じゃあ来てくださるでしょうね。道でお会いしたのに、お連れもしなかったなんて聞かせれば、娘は泣いて、わたしに食いつくかもしれません。いいえ、毒でも飲みかねないから」
「おどかすなよ、婆」
「この婆だって。……だ、だんなさまに、これきり見放されたら、ど、どういたしましょう……」
「おや、泣くのかい。往来中で見ッともない。行くよ、行くよ」
宋江は負けた。
閻婆の老舌とソラ涙に負けただけでなく、この君子人にも、おのれに負ける一面があったといえる。微酔以上なそぞろ心地も手助っていたことだし、稀れには、彼女がどんな愛相を見せるかと、ふと見たい気もしたものにちがいない。