轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
「日本」講談社、1958(昭和33)年1月号~1961(昭和36)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 页
刑場は広い竹矢来だ。ただ二ヵ所ほど、矢来の口の囲いを切って、役人口、冥府口と分けてある。死刑囚の口には、一対の白蓮華、白団子が供えてあり、裸馬から下ろされた宋江、戴宗ふたりはただちに、死の莚へひきすえられたが、時刻の午ノ刻にはちと早い。まだ、検視官以下の騎馬列は途中であった。
「やい、やい、やい、やいっ。そんな所から入っちゃならん。出ろッ矢来の外へ」
見物の雲集に、矢来は揺れる。警固の兵は声を嗄らす。
だが、おさまればこそ。中でも一群れの香具師かと見える風態の者どもが、
「おれじゃあねえよ、後ろが押すんだ」
「兵隊さんよ、しみッたれるな、見物はお構いなしだろ。青天井の下じゃあねえか」
するとまた、役人口の方でも、何か荷をかついだ一群の人夫たちが、どっと中へ入ろうとして来た。
「こらっ、お仕置場へ何をかつぎ込む※(感嘆符疑問符、1-8-78)」
「お奉行所からのお届け物だ」
「嘘をつけ。こらッ、そんな天秤棒など下ろさんか」
「いんごうな兵隊さんだね。ちッたあ粋をきかせなせえよ」
「ふざけるな、ここを何と思う」
するとまたぞろ、三輛の江州車を押してきた旅商人の一団が、遮二無二、人渦の中へ割りこんでいた。