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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

05 一九三八年(昭和十三年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 229,387 字 · 453 页

青空文庫

九月十四日

ラッシュ・アワアのこみかたは言語に絶しますから。

前後して、この次(つづけて書く)が、九月一日づけのお手紙への補足だのその他になりました。枚数が多すぎるから、これで一寸区切って。

九月十四日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕

九月十四日  第五十信

前の手紙にお約束の体温をかくのを忘れたから一寸。

夜は八時半ごろ

十二日朝五・八 ひる六・三 夕六・七 夜七・一

十三日朝五・七 ひる六・二 夕六・八 夜七・一

十四日朝五・八 ひる六・三

昨夕お客で、その若い女のひとたちを送りがてら管制の往来へ出て、駅前で林町へ電話をかけ、検尿のやりかたを国男さんにききました。管制でも月があるので助かります。闇夜だと、女は歩けませんね。

検尿は朝、昼、夕と各食前、及食後二時間をとり、更に全体一日総量を計り出してその中から試験管二本とって調べるのですって。今朝から早速着手して居りますが、殆ど無意識に処理されていることを、それだけキチリキチリやるのは、やはり一つの仕事になるから妙なものです。

私としては、そして又病気としても結核より糖の方がいやです。