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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

05 一九三八年(昭和十三年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 229,387 字 · 453 页

青空文庫

六月三十日

そのためには、本当に下らない日常の居場所(心と身との)その他についてさえ益※(二の字点、1-2-22)敏感と健康な清潔さが必要です。それの可能な条件を少しずつでもより多くと生きてゆくことが中心的な努力であるようです。

お体を本当にお大事に。お願い申します。私はすこし盲腸があやしいが微かなことですから気をつければ大丈夫です。御飯ばかりたべるから用心にオリザニンものんで居りますし。お風呂をたく匂いがする。さあ行ってやって来よう、では又ね

六月三十日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 山口県島田より(封書)〕

六月二十七日  第三十三信

昨夜野原の小母さんがおそく広島から戻って島田の方へ泊られたので、多賀ちゃんは夜番にあっちへかえりました。昨夕からきょうおひるもお母さんと二人で台所をやっています。(夕方には多賀ちゃんがかえる)二人で喋りながら、あの台所で洗いものをしたりお鍋を洗ったり雑巾がけをしたりしている。今午後一時。店へ誰か来ている。私は勉強しに二階へ。この机(低い四角い赤っぽい木の)はあなたが野原の小父さんにお貰いになったのですってね。随分私の役にも立って居ります。