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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

05 一九三八年(昭和十三年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 229,387 字 · 453 页

青空文庫

啓蒙家たちのことは、文学におけるヒューマニズムの問題のあったとき、いろいろな人がちょいちょいふれたが、真に彼等の理性の本質にふれたものは記憶にない。それはとりも直さず、それをなし得るだけの現代の理性らしい理性がないということです。オイゲン先生は傍ら十五世紀から十八世紀にかけてのヨーロッパ文学史を展望させつつ、予定通り火曜日頃に終ります。そしたら、この間云っていらしたのにとりかかりましょう。

キュリー夫人。私がエーヴの美学云々と云う表現で感じていたもの。バックとの比較も全くです。本当に科学というものの性質をエーヴはつかんでいず、カソリック風なニュアンスで(殉教風に)母の業績を見ているのでしょうね。おっ母さん自身も、云われている点、ちょいちょい見たときやはりあの一行に目が止って、そうではないのにと思ったところでした。こんどいつか送って頂いて通読しましょう。何はどうともあれ、彼女の一心さは見事な姿です。(今四時。たった六度二分です)

きのうの日曜日は、家にいてずっと読んでいたかったが、丸善へ出かけて行って、すっかり本棚を見て、『スペインの嵐』を見つけて来ました。