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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
05 一九三八年(昭和十三年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 229,387 字 · 453 页
尻尾を頭につっこんだとぐろの形を描いている。ああいう伝統みたいなものがあるのですね。これというようなものはない。雑書ばかり残っている形。ドラゴンがどうしたとかオリエンタル何とか。
ケンブリッジ大学でロイ・パスカルという人が講義した『ナチ独裁』という本がありました。スペインに関しては、やはり新しいものがない。連邦制が提案されてからのことは勿論まだないわけですが。五六冊あったが、どうも『今日のスペイン』にまさるものはなさそうです。二人の婦人記者が書いた従軍記『スペインのノートブック』Red Spainish Note book、『新しきスペインへ向って』Towards the new Spain その他。
この本は、予測(国際関係における)をも語っているが、どうかしら。つまりどの位しっかりしているか、それは疑問です。フランス語のものはこの頃科学関係は来るが、文学も社会事情も、新しいものはないらしい。ましてオースタリーの以後のものなどは来ていません。(これは店員にくっついて歩いて調べて貰った)。ロシア語では工業の本が十冊ほど。あとは古い古い駄小説とデミヤン・ベードヌイがまだ批判されずにいた時分の詩集とが、棚の下の方にくっついていました。