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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
05 一九三八年(昭和十三年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 229,387 字 · 453 页
何しろ昨今住宅問題は到るところで話題となって居る始末です。やすい貸家は殆どない。一方『朝日』の広告にしろ、売家ばかりです。ドンドン売り家が出ている。近年なかった現象です。十条の方などでは女工さん「帰ってあんた眠るだけですもの、一部屋へ三人ぐらいおいて十七円ぐらいずつとっても、たのんでおいてくれって云いますよ」というボロイ儲けの話も耳にします。興味があります。この文章のわきにひかれているのは、貴方の線かしら。人間生活のあるべきようという計算からいうと、八十円の月収の人は家賃十五円で、しかも十五円の家賃の家がいかにあるべきかと云えば、広い庭があって、子供部屋までがあるんだから、どこのことかと思うと、文学史をやる高瀬太郎という人が云っていた。結婚して家を持とうとしているので実感があるのです。さて、では表を添えて、これは終り。
起床 計温 就眠 計温
21 六・五〇 六・五 十時十五分 六・四
22 六・四〇 六・五 十時十分頃 六・五