轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ひきょうのにちりんき
秘境の日輪旗
蘭 郁二郎
「秘境の日輪旗」少年文庫、新正堂、1942(昭和17)年9月25日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 84,829 字 · 169 页
と、酋長は、膝を乗りだした。
「旦那がたは、これからどこへ行かれるんです、いやよけいなことを聞くのかも知れませんが……」
「これから、バリト河をどこまでも上って行くのだが、酋長、お前はこの河の上流の、大きな滝のあるところを知っているだろう?」
「知っていますとも、だがそこまで行かれるのですか、それとも、それから先まで行かれるのですか?」
「もちろん、それから先へ行くのが目的だ」
「えっ! では、旦那がたは、ボルネオの伝説を知らないのですか!」
酋長の顔は、見る見る青ざめて、ぶるぶる慄えだした。
「あすこから先へ行って帰って来た者はありません、あすこまで行くと、どんな上手な丸木舟の乗り手でも、得体の知れない渦巻に巻きこまれてしまいます、ジャングルを通って陸を伝って行こうとしても、知らない間に殺されてしまいます。鉄砲を持った大勢の白人が、何十人となく私たちの一族を連れて行ったこともありましたが、どこへ行ったのか、影も形もなくなってしまいました。あすこだけは、そのままにしておくがいいでしょう、私たちの一族は、あすこを神の庭といって誰一人近づかないようにしています」