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ひきょうのにちりんき

秘境の日輪旗

蘭 郁二郎

「秘境の日輪旗」少年文庫、新正堂、1942(昭和17)年9月25日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 84,829 字 · 169 页

青空文庫

同志のひとびと

日本軍の強いこと、偉大なこと、マレー人は泣いて喜びました」

王様は皆を食事に誘った。王様の上手な話に引きこまれている中に、謙一と祥子の叔父さんは、何かしきりに話しこんでいるらしかった。

王様と二人の少年に別れてかえる時には、祥子の叔父さんも一緒の自動車に乗っていた。

同志のひとびと

「英夫、あすいよいよボルネオへ出発だ」

その前の日、祥子の叔父さんと、忙がしそうに方々をとびまわっていた謙一が、洗面所で、だしぬけにそういった時には、英夫は思わず、

「えっ!」

と、兄の横顔を見まもった。

「おどろくことはないさ、お前をここへよんだのは、ボルネオへ行くためじゃないか」

謙一は、悠々とのびた髭をあたっていた。

「ボルネオへ行ってどういうことをするんですか、兄さん、上川将軍は兄さんからくわしい話をきくようにって、おっしゃってましたよ」

「そうか、じゃあ一ととおり話しておこう、飛行機はあす、未明に出発するが、向うへ行ってからの手筈も大体ついているから安心だ」

「飛行機で行くんですか?」

「――ジェルマシンの近くの、ウリンというところまで飛行機に乗っけてもらえる、それから先は船で行く、だが、途中いつ敵に襲撃されるかもわからんから、そのつもりでいるんだな」