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ひきょうのにちりんき

秘境の日輪旗

蘭 郁二郎

「秘境の日輪旗」少年文庫、新正堂、1942(昭和17)年9月25日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 84,829 字 · 169 页

青空文庫

意外な命令

先ほどもいいましたが、くわしいことは将軍から直接お話しがあるはずです。私どももくわしいわけは知りません。ただ重大な用件でお呼びしたことだけはたしかです。将軍は私にそのように仰有られました。特に私をその役にえらばれたのも、私が中尉殿のもとの部下であったということかららしいのです。よほど秘密を要することでもなければ閣下はそういうことをされません」

「ある方の命令」と、村山曹長のいった「ある方」はそれでわかったが、将軍がわざわざ英夫を呼ばれたことや、将軍と兄、兄と英夫、それと「重大な用件」との間にどんな関係があるのか、新らしい、いろいろな疑問が英夫の胸に湧きおこって来た――。

意外な命令

将軍の部屋には、客があるらしかった。

村山曹長がこつこつと扉を叩くと、

「入りたまえ!」

と、将軍らしい声が聞えた。

英夫はすこし堅くなって、曹長の後につづいて入った。

大きな机をまん中に、四、五脚の椅子を並べた部屋で、窓のある側を除いた両側の棚に、世界の国々の、あらゆるおもちゃを集めたらしい、珍らしい蒐集品があって、英夫はまず目を見はった。

「いや、ご苦労ご苦労」

と、将軍は、にこにこしながら曹長に向っていった。