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ひきょうのにちりんき
秘境の日輪旗
蘭 郁二郎
「秘境の日輪旗」少年文庫、新正堂、1942(昭和17)年9月25日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 84,829 字 · 169 页
旅客機の行方
それにしても、なんという不思議な場所に不思議な人々が集っているのだろう?
言葉の意味はわからないながらも、注意して様子を見ている中に、少女にはある一つの疑いが浮び上って来ていた。
今までは自分のことばかり考えていたので気がつかなかったけれど、この人たちはこっそりと秘密な場所で、しかも日本軍が占領した香港の街のどこかで、何か秘密な相談をしているらしかった。
香山飯店の地下室! そうだ! あの小っぽけな支那料理店の地下室に違いない。
味方だろうか? それとも敵なのだろうか?
味方だとすれば、兵隊さんか、日本人が一人や二人いそうなものだった。この人たちはまるで、アメリカの映画にでも出て来そうな、暗い陰険な人たちばかりだった。
少女はおそろしさにふるえた。
そうだ、敵のスパイ団ではないのだろうか!
趙は酔っぱらっているらしく、酒くさい臭いをはきかけながら、
「いいかね、今夜、夜中に、このおじさんが船へ荷物を運ぶ時、お前さんも乗るんだ。万事はこのおじさんがうまくやるから安心してねえ、あとのことは、あっしのいうとおりにしてもらえばいいのさ……」
旅客機の行方
台北から香港に向った、英夫たちの乗った飛行機の行方不明が内地に伝えられたのは途中で潜水艦に襲われたあの翌日だった。