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ひきょうのにちりんき

秘境の日輪旗

蘭 郁二郎

「秘境の日輪旗」少年文庫、新正堂、1942(昭和17)年9月25日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 84,829 字 · 169 页

青空文庫

の学者やその子孫がいます。それらの人も一どこの国へ来れば、もう昔の国へは帰りたがらないのですね、私どもだっておなじことですよ、はっはっは」

「それで自動車のようなものまであるわけですね、その癖ちっとも音がしないでひっそりしていますが、あれは何か特別な構造を持っているんですか」

「ああ、あんなことはなんでもありません、自動車には騒音防止装置がしてありますし、この国の道路は全部ゴムで出来ているのですよ」

「飛行機だけはないようですが、それはどういうわけです、それに不思議なのは、僕も数回この上を飛んでいるはずですが、どうしても発見することが出来ませんでした」

「飛行機は必要を感じないから作らないまでです。それから、あなたが発見出来なかったとおっしゃるのは、光線幕というものを使って、上空から見えないようにしてあるからです」

「もう一つお伺いしますが、この国には王様がおられないのですか、それとも、私どもにはお会い下さらないのですか」

「いやいや王様などという者はおりません、あの日輪旗は私どもが日本人であることを示しています、日本人である以上、天子様以外にこの世界に王様はないのです」