轻松读懂日语经典作品
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さぶ
さぶ
山本 周五郎
「週刊朝日」 1963(昭和38)年1月4日号~7月5日号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 210,521 字 · 415 页
そう聞いたので、うろこ崩しの着物をおぶんにやったのだ、とおすえは云った。
「それで、頼まれたんだけれど、あんた怒るかしら」
「ちょっとそっちの端を押えててくれ」栄二は刷毛で糊をならしながら云った、「きっちり押えるんだ、そう」
おすえは云われたとおり、紙の一端を両手で押えたまま、栄二を上眼づかいに見た、「あんた怒るかしら」
「なにを頼まれたんだ」
「仕立物の手伝いなの」とおすえはさりげない口ぶりで云った、「いま注文が多くておぶんさん独りではまにあわないんですって、断わればあとの仕事がもらえないから、注文されただけは片づけたいっていうのよ」
「つまりそれを手伝おうってわけか」
「いけないかしら」
「薄情かもしれないが、よしたほうがいいな」と刷毛を使いながら栄二が云った、「――おまえはうちの仕事だけで手いっぱいだ、朝から晩まで、働きづめでうたた寝をする暇さえないじゃないか、知ってるぜ」
「あらいやだ、そんなに働くもんですか、楽すぎるくらいよ」そして初めて、あまったれたような鼻声をだした、「ねえ、いいでしょ、うちのことはちゃんとしますから」
「いまの話が本当で、おまえがそうしたいっていうんなら」