轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

さぶ

さぶ

山本 周五郎

「週刊朝日」 1963(昭和38)年1月4日号~7月5日号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 210,521 字 · 415 页

青空文庫

おすえは勝手のほうへ気がねをするように、頷いてみせた。

「でも、おら思うんだが」とさぶはひそめた声で続けた、「おらに辛く当ったのは親きょうだいのほうで、おらはべつに咎になるようなことはしなかった」

「うちの人はあんたを怒ってるんじゃないのよ」と云っておすえは赤くなった、初めて、われ知らずうちの人と云ったのが恥ずかしかったらしい、「――誰があんたに咎があるなんて思うもんですか」

「そうじゃねえんです、そうじゃねえんですよ」さぶはもどかしそうに首を振った、「――どう云えばいいのか、おら口がへただから思うように云えないんだが、つまり、どんなにひどい扱いをされても、おらにとっておふくろはやっぱりおふくろだ、もしもおらのほうで咎になるようなことをしていたんならべつだが、そうでなければ、おふくろの死水をとりにいってやっても悪かあねえと思うんだ」

「そりゃあ悪くなんかありゃあしないわ」おすえは聞いた言葉の意味がわからないまま、力づけるように云った、「あの人だってそのくらいのことはわかってるのよ」

栄二が濡れ手拭で耳のうしろを拭きながら出て来、酒の支度をしてくれと云った。