轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

「日本」講談社、1958(昭和33)年1月号~1961(昭和36)年12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 页

青空文庫

もし、お気を悪くなさらぬなら、あるがまま、卦面の告げるところを、歯に衣きせず、おはなししようが」

「おっしゃっていただきたい。なんで気を悪くなどするものですか」

「ならば申すが……卦には“血光の災”という大凶が出ている。百日を出ぬまに、当家の財は崩れ、あなたは剣難に遭って一命を終るでしょう」

聞くと、盧は笑い出した。

「なるほど、当るも八卦、当らぬも八卦ですな。家は北京で重代の老舗。私は人に恨みをうけている覚えもない。……今日はとんだ春日の閑戯にお目にかかった。謝金一両、これにおきます。どうか、ゆるゆる、おひきとりを」

「いらん」

呉用は、金を押し戻した。もう身は椅子を起ち上がっている。そして、いかにも憐れむように、こう呟いたものである。

「ああ! およそ世間から大人物だなどといわれているほどな者も、会ってみれば知れたものだ。――みんな自分に甘いお上手を聞きたいだけのものらしい! いやまことに、小人の閑戯をお見せしてお恥かしい。では、おいとま申す。ごめん!」

「あっ、先生」

「何をおとめなさる」

「そう、ご立腹では心ぐるしい。ま、茶でも煎れましょう。もうすこし話して聞かせてください」