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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
「日本」講談社、1958(昭和33)年1月号~1961(昭和36)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 页
六星、壇に誓う門外に、また訪れる一星のこと
その夜の酒宴のさまなどは、くどくどしい。
呉学人は、兄弟三人のつれ出しに、苦心はしたが、わが功は多くをいわず、
「これが、わしのすすめた阮兄弟だ。まず見てくれ」と、いったあんばい。
晁蓋は、一見すっかり気に入った。また三人の兄弟のほうでも、晁蓋の重厚で、そしてさっぱりした人柄のうちにも、情義の厚そうなところを見て、
「こういう人とのつきあいなら、かねて望んでいた漢づきあい。一生賭けても、悔いはない」
と、はやくも惚れこんでしまった様子である。
赤馬赤馬と呼ばれている赤髪鬼劉唐は、呉先生や晁蓋のあいだにあっては、見劣りすることぜひもないが、これも精悍にして邪悪ではない。短命二郎小五とは、よい組合せだ。
飲み明かし、語りあかして、さて一睡もつかのまの、翌早朝。
同志六名は、嗽い手水の身清めしたうえ、晁家の奥の間にある祭壇に向って立ちならんだ。――壇の道教神のまえには、紅蝋燭赤々と燃え、金紙の銭、色紙の馬、お花、線香、羊の丸煮などの供え物が、種々、かざり立てられてある。
誓いの儀式だ。土器を取って、羊の生血をそそいだ神酒をすすりあい、やがて呉学人が案文した起誓文を受けて、晁蓋が壇にむかって読みあげた。