轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

「日本」講談社、1958(昭和33)年1月号~1961(昭和36)年12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 页

青空文庫

――だから、逮捕令を出せ、出すまいとする、両者の心理的葛藤は、どうしてなかなか微妙なのだ。

とはいえ証拠品やら閻婆の提訴状まで並べられては、ついに知事も折れて、

宋江逮捕

の令状を下さずにいられなかった。しかし、それはすでに遅く、捕手の群れはやがて空しく引き揚げて来て復命した。

「はや犯人は宿所におりません。杳として以来、姿を見ぬということです」

すると、側で聞いていた張文遠が、俄然、青すじを立てて怒鳴った。

「そんなばかなことはない! 今頃まで日頃の下宿にいないのは当りまえだ。元来、彼奴は宋家村の生れ。村には今も父親の宋老人と弟の宋清が一しょに住んでいる。なぜそこを突かんか。そこに潜伏しているに違いないわ」

宋家村の宋江の実家は急襲された。

ところが、老父の宋老人の神妙な応対と、袖の下をたんまり受けて来た捕手たちは、またも手ぶらで時文彬知事に、こんな復命をもたらした。

「当主の宋老父の釈明によりますと、実家とはいえ、すでに四、五年前に家督は弟の宋清に譲ッているそうで、その宋江は、官途へ立つ身に縁類があっては私心の煩いになるとかいって、独り宋家の戸籍を脱けておる由。