轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
「日本」講談社、1958(昭和33)年1月号~1961(昭和36)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 页
掟どおりにあいつを縊り首にしてくんなされ」
とばかり、ここでも吠え猛って止まばこそである。
ぜひなくその日は一応、婆を帰宅させ、唐牛児の身は前夜の関り合いもあるので、一時仮の牢舎へ下げた。そして何かと事件の処理は遷延させ、その間に、宋江にとって有利な緒を見つけようとするのが、知事の腹らしかった。
ところが、ここに、
「そうはさせぬ」
と、躍起な活動を暗に起していた一部下があった。
殺された美人婆惜の情夫の張文遠(張三)である。――彼はすすんで事件の捜査係を買って出、兇行現場の死体調べから近所衆の口書あつめまで手を廻していた。かつまた当夜、宋江が婆惜を刺した短刀をも提示して、
「知事。これではもう、犯人宋江の兇悪さは、疑う余地もありますまい。それにあれきり宋江は役署へも出てまいりません。悪くすると逐電のおそれもある」
と、小気味の悪い含み笑いをもちながら、再三にわたって知事へ逮捕の断を迫った。
張文遠にすれば、宋江は憎い女讐だし、上役ながら、日頃の余りに良い彼の評判をくつがえしてくれたい気持ちやら、またその椅子へ累進の野心なども手伝っていた。だが、時知事の方でも町の者などの密告でほぼ彼の行状やら腹の中は見ぬいている。