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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
「日本」講談社、1958(昭和33)年1月号~1961(昭和36)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 页
逢曳き宿の才取り婆め」
婆は手をやめた。そして、おっとり腰を上げたと思うと、※(「軍+おおざと」、第4水準2-90-23)哥の方へ歩いてきた。
「坊、よく来たね」
「あッ」
逃げようとしたが、せつなの婆の手の迅さといったらない。いきなり※(「軍+おおざと」、第4水準2-90-23)哥の襟がみを引ッつかみ、ぴしッと一撲りくれるやいな、
「こっちへおいで、文句があるなら」
いきなり耳を引ッ張って、隣家との境の狭い路地へグイグイ持って行こうとした。
※(「軍+おおざと」、第4水準2-90-23)哥も今は必死である。往来に坐って婆の脚をつかみ取った。そして、武大を待つ間の持久戦に獅子奮迅していると、
「あっ、やってる!」
武大の声が近くでした。武大はそれを見るなり、荷担を道ばたに捨てて、裏口から王婆の家へ入ろうとしたが、そこでは婆と※(「軍+おおざと」、第4水準2-90-23)哥が泥ンこに番み合って格闘している。しかも婆は武大の姿を見るや「かッ」と、鬼婆のような口を見せたので、武大は度を失ってしまい、うろうろまごまご立ちすくみに慄えてしまった。
「ばか、ばか。武大さん、この隙だよ。