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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
「日本」講談社、1958(昭和33)年1月号~1961(昭和36)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 页
窮鳥、梁山泊に入って、果然、ついに泊軍の動きとなる事
特に、祝朝奉の総領の祝龍、二男の祝虎、三男の祝彪――この三人兄弟は――梁山泊を眼前の敵とみなし、配下一帯にわたって、うさんな奴が立ち入って来たら、容赦なく捕まえて来いと命令していた。
二度目の使い、杜興は、そんな意気込みでいるところへ重ねて行ったものである。もとより祝朝奉は会ってもくれない。出て来たのは“祝氏ノ三傑”と呼ばれる前述の三兄弟だった。――それも李応が自筆の書簡など目にもくれず、
「渡せぬといったら渡せん!」
の一点張りで、あげくには、
「きさまも梁山泊の仲間か。でなければ、梁山泊から鼻ぐすりでも貰ったのか」
という暴言。
杜興は口惜しかったが、祝氏のおん曹司たちが相手では怒りもならず、唯々、わけをはなして、哀願と陳弁とにこれ努めるほかなかった。
「くどい!」
三男の祝彪は、短気者か。帰れとばかり、いきなり杜興を蹴とばした。杜興もつい、かっとなり、独龍山三家の誼みと、同族の義を知らな過ぎるなどとつい理を述べた。それがまた、若気の兄弟たちを、逆に煽ったものとみえ、二男の祝虎が、こんどは李応の手紙を引き裂いて叩き返したものだという。
「……余りな仕打ちに」