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にっき

日記

宮本 百合子

27 一九四四年(昭和十九年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 62,807 字 · 126 页

青空文庫

二月十六日

八頁

夜、急に雪がふり出し、すぐやむ。寒い。

二月十六日(水曜)

運送や、やはり来ない。業をにやしてしまう。坂下のところへたのみに行ったら、明日は来られるという、やっと安心。

寿来る。

○今日から大増税。五円の夕飯は八割の税で九円となる由。百円の夕飯をくったが大したことねえよ、という男第一のロビーにいる由。その表現が何を示しているかを知らず。無智の極なり。自分風邪気のようになり一種の病気。

「パヴロフの生涯」をよむ。大変面白く日本にパヴロフを紹介した人が林髞であったのを遺憾とする。パヴロフの偉大さは、この日本への紹介者の軽薄さによって過小評価されて歪められている。条件反射の発見が、唯心的心理学に与えた革新。内科疾患の有機的な脳との関係。「人間治療学」というものの意味。パヴロフは条件反射までを限界として、社会生活からの影響を加えた人間のみに存する第二合図系体というものを明日の課題としてのこしている由。「機械論的立場にもかかわらず」彼の面白さ、新しさ。

自分が「タンノウする迄」働く。この一句にこもっているものの多さ! パヴロフが、「マア働いておく」とか「程々に働いておく」