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にっき
日記
宮本 百合子
27 一九四四年(昭和十九年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 62,807 字 · 126 页
一月七日
何一つまとまったことも考えられないから可笑しい。
夕飯におきる。
太郎が十時に上野につくという電報来。国咲そのケフジウジツク タラウという電報をくりかえし見ながら御飯をたべていて、うらをすかしたら汽車にのっている姿が見えるようだろうと、国すかして見たりしている。「おい、家じゅうの電気つけて近藤さんの皆よんでやろう」国、はりきってテーブルを片づけカルピスの瓶を立て座蒲団をもって来る。Sが、こんちは、というときの国のあの「あ」という顔を思い合わせ、S一しお可哀そう。Sも欠点あるにはあるにしろ。この世に可愛がってくれる人なしに生きるのは全く可哀そうだ。太郎、活々としてかえって来る。大安心、大よろこび。
シュアンをよみつづける。フーシェは益※(二の字点、1-2-22)バルザックの方がよく扱っていると思う、本質を。ツワイクよりも。
一月七日(金曜)
なかなかさむい。雪も屋根にのこって凍っている。かいろをつけて出かけて行く。宮、夕飯をかみながら出て来る。笑い顔している。「何だか可笑しそうね」「うん、ことしは腹ぺこ正月で、きのうまでパンが止ったろう、ゆうべはクライマックスで、二時間しか眠れなかったよ」