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にっき
日記
宮本 百合子
27 一九四四年(昭和十九年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 62,807 字 · 126 页
十月二十六日
十月二十七日
十月二十八日
日の出の通りをのろのろ歩き乍ら、ふと妙案を思い浮べ、ままよ、寒きにはまさると、昨夜のうちに、宮の袷の裏をはがし、銘仙のひとえの裾をとき合わせて綿入れとする仕度をする。
けさは、国が出てから十二時までに裾合わせ迄して、一時半頃から綿入れ。大フーフーで落語ではないが「えー人間、一心というほどおそろしいものはございません」
四時半頃ともかくひっくりかえして、自分もひっくりかえりそうにへばった。実に実に大笑い也、モンペはいて、フーフー云って、きもののぐるりを這いまわって仕上げた腕は大したもの也、それでもいつとはなしに手順も覚えているとはおそろしい。度胸も我ながらおそろしい。近来の傑作。
十月二十七日(金曜)大雨、
十二時すこしすぎに、やっとおそるべき綿入出来上る、国在宅、ぬらさぬように運ぶため背負おうとしたら、きものが絹、コート絹、ふろしき絹、ツルツルにて駄目。手にもってゆく、フランネル長襦袢と。
夜も大雨、その音をきき乍ら仔犬可哀そうと思う。
〔欄外に〕巣鴨。
十月二十八日(土曜)
フィリッピン沖海戦総合戦果 十月二十四日より同二十七日に亙る。
及、レイテ湾内総合戦果