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にっき

日記

宮本 百合子

27 一九四四年(昭和十九年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 62,807 字 · 126 页

青空文庫

三月四日

「どんなもの上るんでしょうね」細君、いろいろ心配して「信用して居ります」主人「どうして女の人って、誰でもすぐそんな風に考えるんだろう」、男のそういう気持もよくわかる。女の愚劣さとして感じることも。女の性慾と愛情とが混同して自覚されていることや、世界の感覚が男のように世界の感覚として身に迫っていず、「妻・子」的に良人中心にはたらくから。こういう一つの心理にしろ、時代を経てゆく、ゆきかたの差異として感じられて、自分には印象ふかかった。行ったら五年はあちらで暮す覚悟がいる。次代の強壮な若い人たちは都会には出ない。地方からしか。こうして、大きい交代が行われる。防毒面一つくれる由。しかし山崎がなければ私ひとりはかぶれない。国に話したら「そんな遠慮いるもんか」という。そうでない理由話す「ひとの娘だよ」

〔欄外に〕

「三月に入ってからめっきり浮足立ちましたよ」

三月四日(土曜)

三日の閣議で、非常措置具体案二つ。一は、国民学校児童の給食、四月一日より六大都市、一日七勺昼飯として学校で炊事して。二、一般疎開促進。

朝目白から九時半ごろかえり、〇時五十五分東京発太郎を国府津につれてゆく。