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にっき

日記

宮本 百合子

27 一九四四年(昭和十九年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 62,807 字 · 126 页

青空文庫

一月二十二日

云々。

巣鴨、高雄の陸軍病院から手紙よこした男、思い浮ばない由、誰なのだろう。

少年時代からの体の訓練というものは大したものだと思う、子供のときおぼえた自転車と水泳の如し、地力となっている。その人の性格というものばかりでない、こういうプラスがあるということを痛切に理解する。

太郎もスポーツは本気でやらなければいけない。そのことから来る仕合わせの多様さ。

かえり神田へよる、ひどい電車。まさにつぶされそう、冬は着ているものがぎごちないから、やり切れず。井上で千代紙買う。

太郎牛肉の宿酔で頭が重いと云って学校休む。こんなにがつがつなのだと哀れに腹立たしくもある。親父一杯キゲンで、いいよたべろと過度にさせるから。無理ないようなものだが。

〔欄外に〕

「カトリーヌ・ド・メディシス」シャルル九世の悲劇的生涯がよく分った。

バルザックの体の丈夫さ。男らしさ、たっぷりさ。カルヴィニズムのすべてへの吝嗇さへの反感。

一月二十二日(土曜)

疲れていて閉口だったが明治やへ行く。一種の気分で、余りいい気持しなかった。河合のと間違えたのかしら。奥様と云う、御両家の分ですから云々、という。