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にっき
日記
宮本 百合子
27 一九四四年(昭和十九年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 62,807 字 · 126 页
四月十二日
四月十三日
帰ると二人でやっている。
寿、やっと室の錠があいた由、道灌山の下で待っていた。何とよかったろう! どんなに気が楽になったことだろう。
四月十二日(水曜)
ゆっくり休む。国曰ク「放っておけばひる迄ねている人が、七時におきるんだから考えれば気の毒なもんだねえ」
「僕みたいな男がもう一人いたら迚もつとまらないと思うよ」思わず笑う。あんまり本当だから。自分で自分に辟易しているんだから。
『早稲田文学』薄く薄くなり乍ら出ているのを見ると好意を感じる。健気と思う。谷崎精二という人の人柄も感じる。
加能作次郎の「世の中へ」が護国寺の本やにある、まだあった。自分が買おうと思う。
〔欄外に〕
鍋井の『絵心』パラパラとみる。ちょいとすかんところがある。思索や感性の線が乾いていて鋭い。自分の方の側で納っているところがある。対象にグイグイ入ってゆかないで。
四月十三日(木曜)
巣鴨へ行く。火曜日のとき、木曜ごろ来られるかいということだったので。森長の返事ももって。
十日に宮のかいた手紙着。大変にやさしさのこもった手紙。文句には只少人数の暮しとなり、何から何までの仕事で随分のことだろうとある丈だけれども。