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にっき

日記

宮本 百合子

27 一九四四年(昭和十九年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 62,807 字 · 126 页

青空文庫

二月九日

二月十日

二月九日(水曜)

寿の室見に大岡山へゆく。私でどの位かかるだろう。国、マア二時間だね。ところが一時間ばかりで順序よくついてしまって一時間待つ。大くたびれ。室、全く独立していていい。△が下にいるのでいいので、別人だったらやり切れぬところだろう。△たちの暮し、俗人には分らない。△は、立ちかけの子が這うようにずって動いてもてなしてくれる、大畑という子の絵は未来がある。話している話しかたも好意がもてる。一生にこういう時は二度ないから勉強しなさい、といった。家主はいやな男。六畳、十二円。パリを見わたすように高みから、何か東京を俯瞰する感じで面白い、高い坂の中途だが崖でないから大して不安はない。

月夜、十一時すぎかえる、炭にあたって気分わるい。△たちが、未来と希望といくらかの才能だけをもって生きている姿、自分に深く印象された。ぐるりの者は何もなくて性根や根性だけもっている。もっている金さえ金の機能を失って。

二月十日(木曜)

明日休み。今日ゆく。ビオスボン入れる、十三日にたべられるように。金田わたしてくれるレディースペック一つ。

前の高橋、酒に目なしの由。話しかたも心得たもの也。